

2012年6月、ベトナムのフォルモサ・ハティン・スチール社から鉱石・石炭荷役用連続式アンローダ2 基を受注しました。
フォルモサ・ハティン・スチール社は、アジア最大手の石油化学・プラスチックメーカーである台湾プラスチックグループが95%、台湾最大の製鉄会社である中国鋼鉄が5%を出資してベトナムに設立した製鉄会社であり、ベトナム初の高炉一貫製鉄所として2015年5月に1号高炉の火入れを予定してします。第1期工事での年産粗鋼量は、約700万t、最終的には年産2,000万tの生産体制にすることを目指しており、完成後は東南アジアで最大の高炉一貫製鉄所となります。
今回、当社が受注したのは、同製鉄所専用港内の原料荷役埠頭に設置される鉱石・石炭荷役用連続式アンローダ2基で、当該アンローダの荷役能力は鉄鉱石3,000t/h、石炭で2,100t/hであり、最大30万tの鉱石運搬船まで荷役対応できる設計で世界最大級の荷役能力を有しています。本アンローダは工場で一体組立、試運転調整完了後大型輸送パージ船でベトナムヘ輸送し現地埠頭に一括搭載されます。1号機は、2014年末までに、2号機は2015年半ばまでに納入される予定で、ベトナムでは初めて導入される連続式アンローダとなります。
*写真は類型機
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株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(IHIMU)は、ジュロン・シップヤード(JSL、シンガポール)からクレーン船を受注し、2012年4月、呉工場(広島県呉市)で引き渡しが行なわれました。本船は、「L-3601」」と命名されました。また、当社は本クレーン船のクレーン部の製作を担当しました。
JSLは、IHIとシンガポ−ル政府の合弁によって1963年に設立された会社であり、現在は、修繕船を中心に、海洋構造物造修及びリグ建造のリーディングヤ−ドとして知られています。
本船は、生産能力増強を図るJSLより引合いを受け、2010年にIHIMUおよびJSL間で契約締結、IHIMUの呉工場(広島県呉市)で建造されました。
本船は、3,600トンの吊能力を持ち、世界でも最大級のクレーン船となります。呉工場にて完成後、半没水式重量物運搬船に積載され、シンガポ−ルに向けて搬送、約10日間の航海を経て無事シンガポ−ルに到着しました。
これまでIHIグループではクレーン船の建造を始め、国内外のお客様に多数の作業建造実績を有しており、IHIグループが持つ総合力が発揮されております。
(2012年11月現在)
*写真は類型機
2012年3月、当社は、三井造船株式会社とのJV(共同企業体)で、ベトナム交通運輸省傘下のPMU85から、ベトナム カイメップ・チーバイ国際港向けコンテナクレーンおよび多目的ジブクレーンを受注しました。
今回のカイメップ・チーバイ国際港開発事業向けのクレーンを本JVとしては、コンテナクレーン(*1)4基、RTGクレーン(*2)15基、多目的ジブクレーン(*3)2基、港湾設備のコンピューターシステム(*4)を受注し、当社はこのうちコンテナクレーン4基、多目的ジブクレーン2基の製作を担当しました。引き渡しは、2013年10月の予定です。
カイメップ・チーバイ国際港は、ホーチミンシティの南東にあたるベトナムのバリア・ブンタオ省に位置します。
ベトナムの主要港であるサイゴン港がホーチミン市中心部に近く、サイゴン川を遡上した場所に位置するため、取り扱い可能な貨物の量には限界がありました。そこで、ベトナムの発展とともに増加する物流を支えるため、2005年に日本政府とベトナム政府でODAローンの円借款契約が結ばれ、円借款案件として日本政府の協力で建設計画が進められてきました。カイメップ港はコンテナターミナル、チーバイ港は一般貨物ターミナルとなり、ベトナム経済の発展を支えていくこととなります。
(*1):コンテナクレーン:
・岸壁に設置し、コンテナを荷揚げ、荷下しするためのクレーン。海上輸送の主流であるコンテナ荷役においては、高効率、船舶の大型化への対応が求められており、当社ではメガコンテナクレーン等多数の実績を有しています。
(*2):RTGクレーン:
・Rubber Tyred Gantry Craneの略。コンテナヤード内でコンテナを運搬するために使用されるクレーン。
(*3):多目的ジブクレーン:
・フックブロックにグラブバケツやスプレッダーを取り付けることで、バラ積み品やコンテナもハンドリングすることができます。また、本プロジェクトでは高頻度稼働率を求められており、疲労強度が高く設定されています。
(*4):港湾設備のコンピュータシステム:
・コンテナヤードにおいて、ヤード内の各機器のオペレーション、コンテナの配置などを総合的にマネージメントするコンピュータシステム。
*写真は類型機
2011年7月、アンゴラ共和国PAENAL Yard(パイナルヤード)向け2,500t陸上固定旋回式ジブクレーン(*1)を受注しました。
PAENAL Yardは、海洋構造物を建造する造船会社で、主にFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)建造時の大型モジュールの組立用として、本ジブクレーンが使用されます。本クレーンは、2013年の3月末までにお客様へ納入する予定です。
以下クレーンの主な特徴です。
1.アフリカ最大の陸上固定旋回式クレーン
本クレーンは、陸上に設置されるクレーンとしては、アフリカでは最大の旋回式クレーンです。2,500tという大荷重を吊れることで海洋構造物の建造においてモジュールサイズを大型化することができ、お客様の生産性効率の向上に大きく貢献します。
2.軽量かつ大荷重吊りの可能
2,500tという大荷重を吊ることが可能ですが、軽くて丈夫なパイプ鋼材を使用し、ジブ部にトラス構造(*2)を採用することにより、軽量化を達成しました。基礎への負荷を軽減するなどお客様のトータルコストダウンにも貢献します。
![]() 完成予想図 |
(*1):ジブクレーン:港湾埠頭、造船所などで主に使用されているジブ(肘=アーム)を持ったクレーン。
様々なバリエーションがあり、固定式の他、移動式(レール走行・タイヤ走行)など用途に応じて選択できる。
(*2):トラス構造:三角形を基本単位としてその集合体で構成する構造形式のこと。


2010年6月、ベトナム初となる油圧2段式機械式駐車装置(パーキングシステム)108基(216台収容)をハノイ市の新築オフィスビルに納入しました。
今後も経済成長が予想されている東南アジア市場向けの機械式駐車装置の拡販を推進し、現地拠点の整備など積極的な営業展開を図ってまいります。